「テレビの編集も悪いかもしれないけど”やった本人も悪いし責任ある”よね」という意見について考察~編集権って何?~

最初に自分の経験談をお話します。ひとつは自分にとって悪い印象で、もうひとつは…自分にとっては言い方が悪いですが「どっちでもいいや(知らない人が聞くととても騒ぎ立ててしまう系統の事ですが)」と言う内容です。

世の中ってそういう事が思ってるより一杯あるんだなぁって思うキッカケになるかも。

 

かつて事業に失敗して倒産した事がある経歴は何度かこのブログにも書かせて頂いておりますがその当時の思い出話?みたいなエピソードから。

 

新聞にもし載るのだとしたら

「賃貸で借りていた物件(管理会社はAとしておきます)を借りてBと言う会社(これが私の経営していた会社です)が物販店をしていたが倒産した」

と言う感じの記事になるはずなんですが実際に記事になってた内容は

 

「A社の子会社B社の経営する店が倒産」

 

それがこちらに直接確認する事なく周り(ほぼ直接の関係者ではない人間)から聞いた話だけで新聞の記事として書かれていました。

それに気づいたのが倒産して数日も経ってない様々な対応をしている真っ最中。

 

勝手に出されたりはするんだろうなってぼやーっと思ってたけど一番びっくりしたのがA社は関係無いのになんか一緒に倒産したみたいな書かれ方をしてた事。

 

たまたま別件で同じ新聞社の記者と話す機会があって冷静に問い詰めた事があったんですが「自分はその記事を書いてないので」と言い逃れしかしませんでした。

私はそもそも「記事って一般的に裏を取りますよね?私代表者なのに全く聞いてないですよ、そういう社訓なんですか?」みたいなことを普通に訪ねただけなのに。

しかも地方紙の一番シェアが大きい新聞社だったので「うわー大手でもこんな感じなのかぁ残念だな」と心底そう思った記憶があります。

 

たぶん良い記者さんも居るんでしょうね。会った事ないけど多分居るんでしょう。

もしくは「価値の優先順位が違う」んだろうな。

あとこっちが勝手にジャーナリストとか記者っていい人がする仕事だと”思い込まされてる”とか、そういう感じなんだと思います。

 

もうひとつエピソードを。

その倒産した店のコンセプトが「安く売ります!」みたいな空気感でやっていたのでテレビでそういう店取り上げるの流行った時期あったじゃないですか…あんまり詳しく言いたくないんだけどまだ会社があった時にそういう番組に取り上げてもらったことがかつてありましてw

 

それは奥様向けのバラエティ番組でした。

バラエティだからある程度は「こうしてください」みたいなのはあるんだろうなぁって思ってたんだけどその予想を上回って「事前にその日販売している商品を教えて下さい」って感じで。

イコール「どの商品を安く買って盛り上がるのかの台本」が予め決まってるって事。

 

それの是非について語る気は今回無いしヤラセみたいなものは過度な演出でもそう思う人も居るから線引も難しい。

当時は店の宣伝にもなるしとやかく言えないから聞ける部分は聞こうって言うスタンスだったし尚更それを酷いともなんとも言えない。

(後で調べて知ったんですがバラエティ番組ってニュースや情報報道番組じゃないのでそもそも真偽の程で是非を問う物でもないらしい)

 

でもそれで思ったのは「メディアって”こういう形で届けたい”って最初から考えてから来るんだなぁ」って事。

 

これは実際に経験した上での感想。でも今回のテーマにはまだ届いていませんね。さてそこからどうテーマに繋がっていくのか、行かないのか(いけよ)!!

 

「テレビの編集も悪いかもしれないけど”やった本人も悪いし責任ある”よね」という意見について考察~編集権って何?~

 

この数年特に目立ってるテレビ番組とかの「内容についての批判」ってあるじゃないですか。

 

有名人の不貞とかそういうのじゃなくって、例えばお笑い芸人の人が番組の企画とかで不謹慎な事をしたりわざと失礼な事を言うみたいなやつ。

 

それってその番組の事の企画や進行、内容自体にも不快感を感じるけど多分…

 

それをやった本人に対しての嫌悪感が一番すごいって思いません?

 

多分それは「正常」なんだと思います。普通に考えて「✕○しろよ」って言った人や考えた人はあんまり「視界に入ってこない」けど「や(らされてしま)った本人」は大体目の前にいるわけだし。

 

それからSNSで不謹慎行為を見る事も多くなっててそれも「当人の責任だろう」って強く思わされている原因のひとつなんじゃないかなって思ったりしています。

 

こうやって文章で書くと「やらせている方」の悪さの具合も分かるかと思いますが、テレビ番組とかって本当にそういう部分がほぼ見えなくて。

何も考えずに見てるとその何か言ったりしている人全員が「実際に常日頃そう思って生きているからこその言動」みたいに見えますよね。

 

でもそれは「そうじゃないかもしれない」、もうちょっと言うと「そうじゃない(言わされている)人が思ってるよりもものすごく多いのではないか」って思うんです。

 

ただ自分がもしテレビ番組とかを作る立場だったら「そういう冷める事言うんじゃないよ、つまらなくなるじゃん」って思ってそんな意見はあらゆる手段を使って出ないように仕向けますがw

 

多分そういう「テレビを面白いまま見せたい人」ってまだまだたくさんいるし、それこそ飯の種なんだから死活問題で「テレビがやらせまみれ」みたいなイメージって何としても持たれたくないですもんね。

 

そこまで突っ込んだ部分で言うと私も「別にそういうエンタメもあるだろうからいいんじゃないですかね」って言うフラットなスタンスなので、さっきも書きましたがそれをあんまり言うつもりはありません。

 

でもそう言う「こうしてください」は「思っているよりもたくさんある」と言う観点から言うと

 

この前コンビニの食べ物をプロのシェフが批評するみたいな番組であるシェフの方が大炎上している件あるじゃないですか。あれがもし「こうしてください」の塊から出来た物だとしたら…

 

「言った本人が本当に悪いのか?」疑問が出てきませんか?

 

それとあの番組は当時実際にたまたまテレビのある所に居たのでチラ見だけしてたんですが「じょぶとれ?」でしたっけ…番組名は覚えてないんですがあの人以外の人もまぁまぁキツい事言ってましたよ?

 

なので「あぁそういう系の演出なんですね」って思ってすぐに見るの辞めました。

 

でも後でツイッターとか見てたら「食べたくない」って言った私が見た人じゃない「その人」だけがものすごく叩かれていて…何だかすごく違和感があったんですよね。

いやいやそれやるなら全員叩こうぜ?ってか番組自体アレでしょ?って。何かバランスがいびつ、みたいな感覚もあって。

 

そこで思ったのが(叩く宛がどういう内容なのかその真偽等…実はどうでも良くて)

 

「自分(たち)が正しい、攻撃する相手は悪である事がパット見でそう思えたら即それを殴りつけ快感と安堵を得る行為でしかない」

 

なので人は今本当に日々処理しきれないストレスを解消出来ずにいて…それにある意味「負け続けて」しまっているんだなぁ。人間とはこうもストレスに弱かったのか。と

 

あと

「疲れすぎて(本当に自分が間違っていないのかどうかを)考える事が出来なくなっているんだなぁ」

 

とも思いました。

 

そこで色々調べていたら「編集権」と言う放送局が持っているとされる権利を指す言葉が浮かび上がって来たんですよ。

 

聞いた話を引用するとこう

各テレビ局は撮影した素材を自分たちの自由に編集(切り貼り順序の前後を変えるとかも当てはまるよね)する権利を持っている

でもそこまで自由に編集する権利があるんだからその編集についての「責任」も「テレビ局側」にある。

(台本っぽく見せないけれど台本があって「こう言って下さい、こうして下さい」もテレビ局側が責任を取る)

ただこれは一箇所から聞いた話でしかないのでもうちょっと検証をしたいなぁって思って。

もしかしたら最悪「責任の所在(誰が責任を取るのか)」が明記されてない(=それだったとしたらまぁヤバく好き勝手し放題な権限ですよね)可能性もある訳ですし。

 

で、そこまで調べるのが得意でもないし難しい文章もあんまり得意じゃないので「編集権 テレビ」みたいなキーワードでググって読めそうな部分だけ読んで見た。

 

なんかね、放送法の第3条に

elaws.e-gov.go.jp

放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。

と言う記述があったりしてこれが「編集権」のことを指すっぽい。

 

ただ…責任をテレビ局が負うみたいな部分は「私が斜め読みした限りでは」書いてなかった。書いてたらごめんなさい。

唯一の救いが「法律に定める権限に基づく場合でなければ」って入ってる事かなぁ…にしてもこれ書いてあるだけで自由度高くない?って思ってしまうw

 

それからこれはNHKに対しての話題っぽいんですが

http://www.ritsumei.ac.jp/ss/sansharonshu/assets/file/2009/45-1_03-11.pdf)にも「編集権」について実際に公の場で話題として出されているって書かれていたり。

元々は戦後すぐの占領下、言論統制の時期の新聞等の検閲時代にまで遡るみたいですねぇ、ややこしいですねぇ。

 

なのでこの辺りのいくつかのネット上に出ている情報についてざざーっと読んだ感想を書くと

 

編集権については

「多分そういう権利はあるし、きっと編集した側の責任の方が大きいんだろう。でも多分その権利の事を持ち出して意図せず悪人扱いされた場合に自分の身が守れるかと言うとちょっと大げさな事しないといけないっぽいよね、めんどくさそう…」

(こっちは切り抜き素材としての価値しかないんじゃないかな程度に思っておいたほうが精神衛生上マジで良いと思う)

って言う印象です。

 

でも、こういう「編集権」の事を少し調べてみたりすると今後テレビなどのメディアで「炎上案件」を見ても少し見え方が変わって無闇に怒りを覚えたりしないんじゃないかなぁって思います。

 

もっというと有名人の不貞もさぁ…不快感を抱く気持ちは分かるけど…言いすぎてないかなぁ…とか思ってます。

 

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今この世の中に渦巻くギース(簡単に言うと負の感情が何かのキッカケで暴走する事)に心がやられてみんな苦しんでいるんだなぁって改めて痛感したこの1件。

 

気づかない間に「悪の手先」にさせられる、なんて事にはなりたくない。

 

だったら少しずつでも良いから「聞いて」「感じて」そして「考えて」見て下さい。

 

最初は答えなんて出なくてもいいんです、考え続ける先にきっと本当にそれをしても良いのかどうかが少しは見えて来るんだと思います。

 

ではまた。